エビデンスで教育を考えた

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私たちは子供に何ができるのか?

 

私たちは子どもに何ができるのか――非認知能力を育み、格差に挑む

私たちは子どもに何ができるのか――非認知能力を育み、格差に挑む

 

 

 

 日本ではそうでもないですが、現代では結構成功に格差が開いております。ビルゲイツを筆頭に、ザッカーバーグやレディガガなど、成功している人って実は結構いいとこの坊ちゃん、嬢ちゃんだったりするんですよね。海外では義務教育がずさんらしく、そのために

 

成功する→子供にいい教育→子供が成功

 

による格差が起きるようです。そう考えると日本は恵まれている方かもしれませんね。


 

 では、一体どうすればこのスパイラルが断ち切れるのかを教育から考えているのが著者のポール タフさん。「成功する子、失敗する子」でも有名なジャーナリスト。

 

 

成功する子 失敗する子――何が「その後の人生」を決めるのか

成功する子 失敗する子――何が「その後の人生」を決めるのか

 

 

本書はIQで説明できない成功の要因を追求しております。何を信じて子育てすればいいのか悩んでいる方にオススメの本です。これまたKindleの月額セール対象商品なのでお早めの購読を。

 


この本の主題テーマは「非認知機能」です。より具体的に言うと
・やり抜く力(グリット)
・自制心
レジリエンス

 

などなど。近年かなり注目を集めている概念をよくまとめています。こういった概念を紹介しつつ、これらを伸ばすには「環境」が大切じゃないか?という疑問を投げかけた本。この環境というのは学校もありますが、多くは家庭環境のこと。どういった言葉掛けがいいのかなどの知識が満載でした。

 

 

 しかしながら、この本が出版されたのは2017年のことで、この1年で非認知機能の研究は大きな激変が起きております。

 

 やり抜く力として注目を浴びたグリット。

 

やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける

やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける

 

 

このグリットはまだ実用には程遠く、(

yuchrszk.blogspot.com


誠実性と強い相関があることもわかったようです。この誠実性というのは、割と遺伝的要素が強いので、「だったら、グリットって遺伝じゃね?」という話になるわけです。

 

 

 自制心で有名なマシュマロテストも、この度波乱が起きました。

yuchrszk.blogspot.com

 

ざっくりいうと、目の前のマシュマロを我慢できる子供は親の教育レベルが高かった。という、これまたなんとも環境とは関係ない結果が出てしまったわけです。

 

 



 というわけで、非認知機能の中にはまだまだ実用には程遠いものがたくさんあるようです。もちろん、だからと言ってこの本が読むに値しない本かというとそうでもなく、非認知の世界を概観するにはとても良い入門書であることは間違いありません。それに非認知の中でも今すぐ使えるものはたくさんあります。例えば、アタッチメント。

 

 


 卑近な例ですが、この記事を書いているのはとある喫茶店です。周りを見渡すと、子供連れのママさんがいるわけですが、まあ、みなさんスマホに夢中です。子供をおとなしくさせるために甘いものを飲ませたり、youtube中毒にさせてしまうのは、実は緩慢なストレスを与えています。実は我々が思っているより子供にとってのストレスはそのハードルが低いようです。まずは子供によく目を配り、適切な課題や夢を持たせる。何もなくてもできることはこの本でたくさん学べます。

 

 

私たちは子どもに何ができるのか――非認知能力を育み、格差に挑む

私たちは子どもに何ができるのか――非認知能力を育み、格差に挑む