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子供のネット利用と学業成績の関係:家庭内ネット環境の影響とは?

 

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「子供にタブレットとか買った方がいいのかしら」

 

現代の親御さんなら必ず抱えるこの悩み。

 

「落合陽一さんはスマホ買い与えてるし」

「でもネットトラブルがなー」

 

この意思決定には限りがないですね。そこで今回は子供のネット利用と学業成績について解説していきます。2~3分で読めるこの記事を見ることで

 

インターネット教育で成績は上がるのか?

 

どのくらいインターネットを使用すれば良いのか?

 

が分かりますのでぜひ最後までご覧ください。

  

家庭内のネット状況を調査したら?

 

 今回紹介する論文はドイツで行われた調査で、先進国31カ国の96,855人の15歳の学生を対象に、

 

「数学」「読解力」

 

に絞ってコンピューターの家庭での使用頻度との関係を見たんだそうな。具体的には

 

・家にパソコン何台あるか

・家庭の収入

・家のパソコンにアクセスがあるかどうか

・どのくらいネットにアクセスするか

・他の使用目的

 

などなど。

 

 数学の成績がメールで上がった!

 

すると

・過半数は複数のパソコンを持っていた。

(25%は1台、23%は持っていない)

 

・持っている人のうち、ネットに自由にアクセスできる人は43%。

 

・持っている人のうち、55%が教育用ソフトを持っていた。

 

ということが分かりました。けっこう親がアクセス制限させたりしてるんですね。その上で無条件で相関をとったところ、

 

自宅にPCが1台ある人は、ない人よりも数学の成績が良かった

 

ということが分かりました。これは朗報です。

 

 しかしながら慧眼な読者様におかれましては

 

「これって、パソコンある家は単に親が裕福だったりするんじゃないの?」

 

という疑問をもたれることでしょう。研究者はそこも調べていて、親の収入や学歴等を調整して再度相関を見たところ、

 

コンピュータの可用性(家で使えるかどうか。ここではパソコンがあるかないか)は数学のパフォーマンスには関係しません。

 

となりました。 

 

また、可用性とは別に「ただ使うだけ」だとどうなるかというと

 

・インターネットに週何回かアクセスする学生は、全くしない学生よりも数学と読解力で成績が優位に高かった!

 

・特に、電子メールやウエブへのアクセス、教育ソフトがいい!

 

との結果に。メールとは意外ですねー

 

まとめ

 というわけで、家にパソコンがあっても問題ないし、ネットやメールなんかはむしろいい方向に働くよーというお話でした。しかしあくまで「週に何回か」の話なんで用法用量を守って正しく使っていきたいですね。子供のネット依存はやはり不健全なので。

 

次回は「じゃあ、学校では?」ってお話をできればと思います。

 

 参考

Computers and Student Learning: Bivariate and Multivariate Evidence on the Availability and Use of Computers at Home and at School